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岩手みやげ話し『座敷わらしの里へ』

〜2006年黄金週間、西へ東へ【その7】〜

5月7日。
この日は不動の滝を観光しつつ、座敷わらしの里・金田一温泉へ向かいます。

雨があがりつつある朝。
今回の旅で用意した、簡易焚き火台で湯をわかす。
結構便利。


(撮影:ボン)

ゆるゆると片付けて、出立。
県道を進み、しばらくすると工事通行止めの看板。
引き返すのもなんかくやしいし、柵らしきものも開いている、
おまけに車の通った後もあるので、強気で直進。
しかしあっというまに霧に囲まれる。


(撮影:Z.Mastabe)

ナビは誤作動。道路は未舗装で、片側は断崖絶壁。
対向車なんか来たひにゃ、きっと命の危険に関わる。
しかし、車内にはゆるやかなレゲェが流れ、
緊張感と霧のシチュエーションになにやら達観した空気をもたらしていました。


(撮影:ボン)

やっとのことで、不動の滝着。
桜松神社の境内にある滝ということですが、
もともと滝と山に対する自然信仰があって、そこに神社を建てたという感じ。
看板には「滝不動と呼ばれていたものを明治4年に桜松神社と改称」とあるので、
神仏分離令の折に神社としてならざるを得なかったのでしょう。


(撮影:Z.Mastabe)

滝にいくまでの道は、きれいに整備されていてらくちん。
まずは社殿でお参り。

ほかにも、いろんな神さまがいて、苔むした巨石や、
山に空いたい岩窟に祠が作られていたり、たいへん興味深い。

不動の滝登場。
二つの山を割るように流れでるシチュエーションが良い。

その後は昼食を食べつつ移動し、いよいよ旅の最終宿泊地、金田一温泉に到着。
旅の最後は宿に泊まり、上げ膳据え膳のありがたさを満喫します。
しかし、ただの宿ではありません。
東北妖怪ツアーの締めくくりにふさわしく、
座敷わらしが出るといわれるその名も『仙養舘』です。


(撮影:Z.Mastabe)

金田一温泉で座敷わらしといえば緑風荘・槐の間が有名なんですが、
こちらは、平成20年まで予約がいっぱいという混みようなので、
最初あきらめていたのですが、よくよく調べると、
『仙養舘・暁の間』でも、でるというではありませんか。
しかも、その他不思議体験をする人や、
オーブ(光の玉)をカメラに収める人も続出するというすばらしい宿。
だめもとで電話したら空いていたので、今回訪れる機会を得たわけです。
感無量。早速、暁の間に通され、荷物など置きいっぷく。

「あそこが妖しい」なんていいながら写真をとってみるが、
それらしきものは写らなかったので、緑風荘・槐の間に見学に行ってみる。


(撮影:ボン)

緑風荘の座敷わらしは、病気によりこの世を去った
亀麿(かめまろ)という男の子だと言われています。
緑風荘の敷地内には亀麿くんを祀った亀麿神社があるので、
しっかり訪問のご挨拶。

槐の間はこの建物のなか。

槐の間。座敷わらしへの贈り物でいっぱい。
この宿に泊まって幸運に恵まれた人たちのお礼だそうです。

緑風荘でお土産の水晶ストラップを買う。
この水晶は槐の間で祈祷をうけ、座敷わらしのパワーが入ったものだとか。

帰ってきて入浴。
ちょっと熱めの温泉につかる。気持ちよい。
風呂上がりのビールで冷蔵庫の瓶2本をあっというまに空けてしまう。
お参りと水晶の効果か、オーブらしきものがちらほら写りはじめる。


(撮影:ボン)

お酒の調達がてら二戸駅のおみやげやさんを見て、
それから宿に戻り夕食。
山菜の天ぷら、かに、その他もろもろ出されたものすべて美味。
みんな、きれいにたいらげました。


(撮影:Z.Mastabe)

食後は、ちょっと散歩して温泉卓球。
ボンさんひとり勝ち。
回転なんかかけやがって妙なところで小器用な男だ。


(撮影:GUM)

部屋に戻って、買ってきた酒とつまみをいただき、
よい心持ちで、布団に入る。
枕元には、緑風荘の水晶ストラップをおいて準備万端。
遠慮なくでてきてね、などと思いながら眠りにつくのでした。

【こぼればなし】
深夜、GUMさんとボンさんの会話で目が覚める。
どうやら寝付けないらしい。
つられて起きてしまったので、もう一度寝酒でもと思ったが、
せっかくなので、ひとっぷろ浴びることにする。
誰もいない夜中の風呂というのも楽しいだろうと風呂場に向かう。
案の定、風呂場は真っ暗。
電気を付けて脱衣所に入ると、
なんと服が籠にひとそろえ…。

“え?真っ暗だよ?誰かいるの?
 暗い湯船はいいとしても脱衣所ぐらいは点けないか?”

そう思いおそるおそる風呂場の方に目をやると、
磨りガラスの向こうは、やはり闇…。
一人でゆっくり暗い湯船を楽しもうと思ったが、これは先を越されたか?
いやいやそれとも人外のものか?
だからといって、引き返すのも癪だ。
ここは、意を決して、闇への扉をあける。

カラカラカラ…

するとそこには、爺がひとり。
なんと、洗い場で鏡に向かって髭をそっていた。
驚きのあまり、一瞬動きが止まってしまったが、
何喰わぬ顔で湯船に向かい、掛かり湯など浴びる。
しかし、こころの中ではツッコミまくりだ。

“なんで髭そってんの?真っ暗だよ!危ないって!
 で、ほら、それ、鏡、見えてないでしょ?
 街灯は全部消えてるし、おまけに雨で月明かりもないよ。
 先超されたのはもういいや、でも、せめて湯船につかっててよ。
 ひげ剃りはないでしょぉぉおお!”

やがて爺さんは、たらいでざぶりと湯をかぶると何も言わずに出ていきました。
 
“なんだったんだろ、あの爺さん”

試しに電気を消してみるとやはり暗い。
脱衣所の電気は消さなかったので、薄暗い感じだけど、
ちょっと髭を剃る気にはなれない。
でもあのお爺さんは、その光さえもなく髭を剃っていた。
たいしたもんだ。

そんなふうに夜の風呂を楽しんでいると、
パシャパシャと、水音。
女湯の方からだ。
風呂場は上が抜けている壁一枚で隔てているだけなので、
音はよく聞こえる。
しかも電気もついていないのも分かる。
真っ暗だ。

女性もそんな趣味の人がいるのか?
いや、きっと気のせいだ。

しかしまた、パシャパシャ…。
さすがにちょっとびびったので、あがることにする。
だが、まてよ。
本当に人が入っていて、こちらの光を頼りにしていたとしたら、
突然明かりを消してしまうのはいかがなものか。
そこで念のため、ひとこえ。
「お先に〜」

しかし、何も返事はありませんでした。

Comments:2

Z.Mastabe 2006年5月22日 13:31

この旅でのキミの一番の恐怖体験は、この爺だったのでは?w

umino 2006年5月23日 07:29

そうだねぇ。でも、爺さん怖かったかもね。(笑)
一人の時間を急にぶち壊されたわけだからね。

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