- 2006年5月19日 23:15
- 黄金週間、西へ東へ
雨があがりつつある朝。
今回の旅で用意した、簡易焚き火台で湯をわかす。
結構便利。
ゆるゆると片付けて、出立。
県道を進み、しばらくすると工事通行止めの看板。
引き返すのもなんかくやしいし、柵らしきものも開いている、
おまけに車の通った後もあるので、強気で直進。
しかしあっというまに霧に囲まれる。
ナビは誤作動。道路は未舗装で、片側は断崖絶壁。
対向車なんか来たひにゃ、きっと命の危険に関わる。
しかし、車内にはゆるやかなレゲェが流れ、
緊張感と霧のシチュエーションになにやら達観した空気をもたらしていました。
やっとのことで、不動の滝着。
桜松神社の境内にある滝ということですが、
もともと滝と山に対する自然信仰があって、そこに神社を建てたという感じ。
看板には「滝不動と呼ばれていたものを明治4年に桜松神社と改称」とあるので、
神仏分離令の折に神社としてならざるを得なかったのでしょう。
滝にいくまでの道は、きれいに整備されていてらくちん。
まずは社殿でお参り。
ほかにも、いろんな神さまがいて、苔むした巨石や、
山に空いたい岩窟に祠が作られていたり、たいへん興味深い。
不動の滝登場。
二つの山を割るように流れでるシチュエーションが良い。
その後は昼食を食べつつ移動し、いよいよ旅の最終宿泊地、金田一温泉に到着。
旅の最後は宿に泊まり、上げ膳据え膳のありがたさを満喫します。
しかし、ただの宿ではありません。
東北妖怪ツアーの締めくくりにふさわしく、
座敷わらしが出るといわれるその名も『仙養舘』です。
金田一温泉で座敷わらしといえば緑風荘・槐の間が有名なんですが、
こちらは、平成20年まで予約がいっぱいという混みようなので、
最初あきらめていたのですが、よくよく調べると、
『仙養舘・暁の間』でも、でるというではありませんか。
しかも、その他不思議体験をする人や、
オーブ(光の玉)をカメラに収める人も続出するというすばらしい宿。
だめもとで電話したら空いていたので、今回訪れる機会を得たわけです。
感無量。早速、暁の間に通され、荷物など置きいっぷく。
「あそこが妖しい」なんていいながら写真をとってみるが、
それらしきものは写らなかったので、緑風荘・槐の間に見学に行ってみる。
緑風荘の座敷わらしは、病気によりこの世を去った
亀麿(かめまろ)という男の子だと言われています。
緑風荘の敷地内には亀麿くんを祀った亀麿神社があるので、
しっかり訪問のご挨拶。
槐の間はこの建物のなか。
槐の間。座敷わらしへの贈り物でいっぱい。
この宿に泊まって幸運に恵まれた人たちのお礼だそうです。
緑風荘でお土産の水晶ストラップを買う。
この水晶は槐の間で祈祷をうけ、座敷わらしのパワーが入ったものだとか。
帰ってきて入浴。
ちょっと熱めの温泉につかる。気持ちよい。
風呂上がりのビールで冷蔵庫の瓶2本をあっというまに空けてしまう。
お参りと水晶の効果か、オーブらしきものがちらほら写りはじめる。
お酒の調達がてら二戸駅のおみやげやさんを見て、
それから宿に戻り夕食。
山菜の天ぷら、かに、その他もろもろ出されたものすべて美味。
みんな、きれいにたいらげました。
食後は、ちょっと散歩して温泉卓球。
ボンさんひとり勝ち。
回転なんかかけやがって妙なところで小器用な男だ。
部屋に戻って、買ってきた酒とつまみをいただき、
よい心持ちで、布団に入る。
枕元には、緑風荘の水晶ストラップをおいて準備万端。
遠慮なくでてきてね、などと思いながら眠りにつくのでした。
【こぼればなし】
深夜、GUMさんとボンさんの会話で目が覚める。
どうやら寝付けないらしい。
つられて起きてしまったので、もう一度寝酒でもと思ったが、
せっかくなので、ひとっぷろ浴びることにする。
誰もいない夜中の風呂というのも楽しいだろうと風呂場に向かう。
案の定、風呂場は真っ暗。
電気を付けて脱衣所に入ると、
なんと服が籠にひとそろえ…。
“え?真っ暗だよ?誰かいるの?
暗い湯船はいいとしても脱衣所ぐらいは点けないか?”
そう思いおそるおそる風呂場の方に目をやると、
磨りガラスの向こうは、やはり闇…。
一人でゆっくり暗い湯船を楽しもうと思ったが、これは先を越されたか?
いやいやそれとも人外のものか?
だからといって、引き返すのも癪だ。
ここは、意を決して、闇への扉をあける。
カラカラカラ…
するとそこには、爺がひとり。
なんと、洗い場で鏡に向かって髭をそっていた。
驚きのあまり、一瞬動きが止まってしまったが、
何喰わぬ顔で湯船に向かい、掛かり湯など浴びる。
しかし、こころの中ではツッコミまくりだ。
“なんで髭そってんの?真っ暗だよ!危ないって!
で、ほら、それ、鏡、見えてないでしょ?
街灯は全部消えてるし、おまけに雨で月明かりもないよ。
先超されたのはもういいや、でも、せめて湯船につかっててよ。
ひげ剃りはないでしょぉぉおお!”
やがて爺さんは、たらいでざぶりと湯をかぶると何も言わずに出ていきました。
“なんだったんだろ、あの爺さん”
試しに電気を消してみるとやはり暗い。
脱衣所の電気は消さなかったので、薄暗い感じだけど、
ちょっと髭を剃る気にはなれない。
でもあのお爺さんは、その光さえもなく髭を剃っていた。
たいしたもんだ。
そんなふうに夜の風呂を楽しんでいると、
パシャパシャと、水音。
女湯の方からだ。
風呂場は上が抜けている壁一枚で隔てているだけなので、
音はよく聞こえる。
しかも電気もついていないのも分かる。
真っ暗だ。
女性もそんな趣味の人がいるのか?
いや、きっと気のせいだ。
しかしまた、パシャパシャ…。
さすがにちょっとびびったので、あがることにする。
だが、まてよ。
本当に人が入っていて、こちらの光を頼りにしていたとしたら、
突然明かりを消してしまうのはいかがなものか。
そこで念のため、ひとこえ。
「お先に〜」
しかし、何も返事はありませんでした。